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八幡、伊勢、稲荷…そして「山の神」!? 神社ランキングTOP10の実力派、「山の神信仰」超入門

10月 10, 2025

山道の鳥居と祠
※画像はイメージです

はじめに:日本人はなぜ山を神聖視したのか?

日本の国土の約7割は、山地や丘陵地。

私たちは、太古の昔から山の恵みを受け、時にその厳しさに畏怖しながら暮らしてきました。

ふと見上げればいつもそこにある山々に、神様の存在を感じて手を合わせる。そんな自然な祈りの心が、日本の信仰文化の原点ともいえるでしょう。

ところで、日本全国にある神社の数を信仰別にランキングすると、どうなるかご存知ですか?

1位は武士の神様として広まった「八幡さま」、2位はお伊勢さんで知られる「伊勢信仰」。ここまでは納得ですよね。天神様、お稲荷さん、熊野神社・・・と有名な名前が続きます。

ですが、驚くべきことに、そのベスト10に「山の神(やまがみ)信仰」がランクインしているのです!

【信仰別神社数ランキング TOP10】

  1. 八幡信仰(7,817社)
  2. 伊勢信仰(4,451社)
  3. 天神信仰(3,953社)
  4. 稲荷信仰(2,924社)
  5. 熊野信仰(2,693社)
  6. 諏訪信仰(2,616社)
  7. 祇園信仰(2,299社)
  8. 白山信仰(1,893社)
  9. 日吉信仰(1,724社)
  10. 山神信仰(1,571社)

注釈:神社本庁の「全国神社祭祀祭礼総合調査」によります

「山の神さま」を祀る神社が、全国に登録されているだけで1,500社以上もある

この事実、少し意外な感じがしませんか?

それもそのはず。

山の神さまは、きらびやかな大きな神社だけでなく、私たちの暮らしのすぐそば、集落の入り口や裏山の小道に、小さな祠や石碑として静かにたたずんでいることが多いのです。

田園風景
田園風景(※画像はイメージです)

神社の原点、自然への祈り

なぜ、これほど多くの山の神さまが祀られてきたのでしょうか。それは、昔の人々にとって、山が「命の源」そのものだったからです。

山から流れる清らかな水は田畑を潤し、豊かな森は木材や食料を与えてくれます。

しかしその一方、山は大雨で牙をむき、道に迷えば人の命を奪う、恐ろしい場所でもありました。

人々は、そんな偉大で少し怖い山には特別な神様がいると信じ、恵みへの感謝と安全への祈りを捧げたのです。

この「自然への祈り」こそが、神社の始まりの一つ。

山の神信仰は、日本人が自然とどう向き合ってきたかを教えてくれる、古くて新しい信仰のかたちなのです。

「山の神信仰」の世界へようこそ

この記事では、そんな奥深い「山の神信仰」の世界を、神社に興味を持ち始めたあなたと一緒に旅してみたいと思います。

  • 山の神さまって、どんな性格なの?
  • 有名な富士山信仰や白山信仰とは、何が違うの?
  • ちょっと変わった面白い風習ってある?

こんな疑問に答えながら、最後には実際に会いに行ける、地域に根ざした山の神さまのスポットもご紹介します。

この記事を読み終える頃には、きっとあなたの身近な自然を見る目が、少しだけ変わっているはずです。

さあ、一緒にディープな信仰の世界へ足を踏み出してみましょう!

「山の神」ってどんな神様?

「山の神」と聞くと、どんな姿を思い浮かべますか?

白ひげを生やした、仙人のような厳格な男性の神様でしょうか。それとも、森の奥深くに潜む、巨大な獣の姿でしょうか。

実は、「山の神さま」のプロフィールは、私たちの想像を超えるほど個性的で、人間味にあふれているんです。

山の神は女神?
山の神は女神?(※画像はイメージです)

代表的な神格・大山祇神

まず知っておきたいのが、「山の神」は特定の誰かを指す名前ではなく、山に宿る神々の総称だということです。

その中でも、日本神話に登場する山の神々のリーダー的存在が、大山祇神おおやまつみのかみです。

『古事記』にも登場するこの神様は、まさに「山の神々のボス」。全国の山を統括し、その恵みを司るとされています。

ちなみに、あの富士山の女神として有名な 木花咲耶姫このはなのさくやひめ のお父さんでもあります。

神様の世界にも、しっかりとした家族関係があるのが面白いですよね。

愛媛県今治市にある 大山祇おおやまづみ 神社は、全国の山の神社の総本社ともいえる格式高い神社です。

嫉妬深い?山の神は女神さま

大山祇神のような男性の神様もいますが、実は多くの地域で「山の神は女性である」と信じられてきました。

生命を生み育む山は、母なる存在として捉えられてきたのかもしれません。

そして、この女神さま、なかなかにキャラクターが濃いのです。

伝承によっては「嫉妬深く、自分より美しいものを嫌う」とされたり、中には「とても醜い顔をしている」なんて言われたりすることも・・・。

そのため、山に女性が入ることを嫌がるとか、美しい花を供えてはいけない、といった風習が生まれました。

神様なのに、とても人間臭くて親しみが湧きませんか?このユニークな性格が、後で紹介する面白い風習にもつながっていきます。

春は「田の神」、秋は「山の神」へ

山の神信仰の最大の特徴ともいえるのが、季節によって役割を変え、居場所を移動するという点です。

農耕が暮らしの中心だった時代、春の田植えは一年の豊作を占う一大イベント。

その大切な時期になると、山の神さまは山から里へ下りてきて「田の神」に変身し、稲の成長を見守ってくれると信じられていました。

そして、秋。

無事に収穫が終わると、田の神さまは役目を終え、「お疲れ様でした」と再び山へと帰っていき、次の春まで山の神として静かに過ごすのです。

まるで季節ごとに出張してきてくれる、地域担当の神様。

人々の暮らしのサイクルに、神様が深く寄り添っていたことがよくわかります。

豊穣と子宝のパワフルな神

女神である山の神さまは、生命を生み出す力が非常に強いと信じられてきました。

そのパワフルさを象徴するのが、「一年に十二人の子を産む」という驚きの伝承です。

このことから、山の神さまは五穀豊穣だけでなく、子宝や安産の神様としても厚く信仰されてきました。

集落に新しい命が生まれることを見守る、地域の守り神「 産土神うぶすながみ 」のような役割も担っていたのです。

山の恵みも、子孫の繁栄も、人々にとってはどちらも切実な願い。山の神さまは、その両方に応えてくれる、頼もしい存在だったのですね。

「山岳信仰」と「山の神信仰」の違いとは?

さて、ここで少しややこしい話を整理しましょう。

山の神さまの話をしていると、「富士山信仰とか、出羽三山とか、そういうのも山の神信仰じゃないの?」と思うかもしれません。

半分正解で、半分ちょっと違います。

実は、山に関する信仰は、大きく分けて2つのカテゴリーに分けられます。

それが「山岳信仰」「山の神信仰」です。

どちらも山を神聖視する点では同じですが、その信仰のスタイルや対象が少し異なるのです。

この違いを知ると、神社の見方がグッと深まりますよ。

山岳信仰と山の神信仰
山岳信仰と山の神信仰(※画像はイメージです)

メジャーな霊峰を対象とする「山岳信仰」

まず「山岳信仰」は、いわば全国区のスター選手のような存在です。

富士山、白山、立山、熊野の山々・・・。

こうした特定の、雄大でカリスマ的な山(霊峰)そのものを神様の体「御神体」と見なしたり、神仏が降臨する特別な修行の場と考えたりするのが山岳信仰です。

この信仰は、 修験道しゅげんどう という山での厳しい修行を通して悟りを開こうとする宗教と結びつき、全国に広がりました。

江戸時代には「富士講」や「伊勢講」といった庶民のグループが、一生に一度はこれらの聖地へお参りする「おかげ参り」が大ブームになったほど。

まさに、憧れの聖地へ巡礼する、スケールの大きな信仰といえます。

暮らしに根差した「山の神信仰」

一方、「山の神信仰」は、もっと地域密着型で、私たちの暮らしのすぐそばにある信仰です。

対象となるのは、富士山のような特別な山だけではありません。村の裏山、集落を見守る丘、林業や狩猟の現場となる身近な森など、生活圏にある山々です。

そこでは、山全体が神というより、山に宿る人格的な神様(あの嫉妬深い女神さまなど)を想定し、豊作や安全といった、日々の暮らしに直結する願いが捧げられてきました。

全国ブランドの「山岳信仰」と比べると、こちらは地元の商店街のような、アットホームで身近な信仰と言えるかもしれません。

二つの信仰の違いを比較

言葉で説明すると少し難しく感じるかもしれませんが、表にするとイメージが掴みやすいはずです。

項目山岳信仰山の神信仰
信仰の対象富士山、白山など特定の霊峰地域の裏山など身近な山
神様のとらえ方山そのものが御神体、神仏の宿る場山に宿る人格的な神
信仰のスタイル修行、登拝、全国からの巡礼地域の暮らしに密着した祈り、講
主な願い事悟り、国家安泰、死後の世界の救済五穀豊穣、安全祈願、子孫繁栄
イメージ全国区のスター、憧れの聖地地域密着、地元の守り神

もちろん、この二つはきっぱりと分けられるものではなく、大きな霊峰の麓の村では両方の性格を併せ持つこともあります。

ですが、この違いを知っておくと、

  • 「この神社はスター的な山岳信仰の拠点だな」
  • 「あ、こっちは地元の人たちの山の神さまだな」

というように、神社の背景が見えてきて、参拝が何倍も楽しくなりますよ。

山と生きる人々のディープな風習

山の神信仰には、現代の私たちから見ると「え、どうして?」と首をかしげたくなるような、ユニークで少し不思議な風習がたくさん残されています。

魚をお供えしたり、特定の日に山に入ってはいけなかったり・・・。

しかし、これらは単なる迷信ではありません。山と共に生き、その恵みと脅威を肌で感じてきた人々が生み出した、切実な祈りのかたちなのです。

その背景を知れば、きっとあなたもその奥深さに引き込まれるはずです。

漁師が山の神に祈る
漁師が山の神に祈る(※画像はイメージです)

信仰の背景:山での生業

なぜ、山の神さまには特別なルールが多かったのでしょうか。

その答えは、山が生業なりわい の現場」であったことにあります。

木を切り出す林業、獣を追う狩猟(マタギ)、鉱物を掘る鉱業・・・。

これらはすべて、山の恵みをいただく仕事であると同時に、常に死と隣り合わせの危険な仕事でもありました。

急な天候の変化、滑落、熊との遭遇。一歩間違えれば、命を落としかねません。

だからこそ、山で働く人々は、この聖域の支配者である「山の神さま」のご機嫌を損ねないよう、細心の注意を払いました。

これから紹介する風習は、神様のご機嫌をとり、無事に生きて帰るための、いわば命がけのルールブックだったのです。

ユニークな供物「オコゼ」の謎

山の神さまへのお供え物といえば、お米やお酒が定番ですが、一部の地域ではなんと「オコゼ」という魚を供える、とても珍しい風習があります。

山の神様なのに、なぜ海の魚なのでしょうか?

この謎を解くカギは、先ほどお話しした「山の神は嫉妬深い女神さま」というプロフィールにあります。

伝承によると、山の神さまは自分の容姿にコンプレックスを持っているとされていました。そこで人々は考えます。

「神様よりもっと不細工なものを供えれば、きっと喜んでくれるに違いない!」

そこで白羽の矢が立ったのが、グロテスクな見た目の魚、オコゼです。

オコゼ
オコゼ

自分より醜いものを見て気を良くした山の神さまは、人々を災いから守ってくれる・・・。

なんとも人間味あふれる、ユーモラスな風習ですよね。

これは、恐ろしい神様をなだめ、うまく付き合っていこうとした人々の知恵の結晶なのです。

入山が禁じられた「山の神の日」

山で働く人々が、絶対に山に入らないと固く決めている日があります。

それが「山の神の日」です。

地域によって日付は異なりますが、特に12月12日や1月16日などが有名です。

この日、山の神さまは山にある木を一本一本数えてまわると信じられていました。そんな神聖な仕事の邪魔をしては、とんでもない罰が当たると考えられていたのです。

もし、うっかりこの日に山に入ってしまうと、「神様に木と間違えられて数えられ、切り倒されてしまう」「木の下敷きになって死ぬ」といった、恐ろしい祟りがあると伝えられています。

これは山の神さまへの畏敬の念を示すと同時に、厳しい冬の間は山を休ませ、乱伐を防ぐという、自然と共生するための合理的な知恵だったのかもしれません。

山の神さまに会いに行こう【参拝ガイド】

山の神さまの個性豊かなプロフィールや、人々の暮らしに根ざしたディープな風習を知ると、なんだか実際に会ってみたくなりませんか?

ここからは、いよいよ実践編です。

山の神さまはどこに行けば会えるのか、参拝するときのマナー、そして全国に数ある中から、特に個性的で訪ねてみたくなる3つのスポットを厳選してご紹介します。

さあ、小さな旅の準備を始めましょう!

山道の小さな祠
山道の小さな祠(※画像はイメージです)

山の神さまはどこにいる?

山の神さまは、有名な神社のきらびやかな本殿だけにいるわけではありません。むしろ、その魅力は私たちのすぐ身近な場所にこそ隠されています。

  • 集落の入り口や峠の道端にある、小さな祠(ほこら)
  • 「山神」とだけ刻まれた、苔むした石碑
  • しめ縄が巻かれた、ひときわ大きな岩や木

こうした素朴なたたずまいの場所に、地域の人々が大切に守ってきた山の神さまは宿っています。

立派な社殿がなくても、そこは間違いなく聖地。

いつもの散歩道やドライブコースで、少しだけ周囲に目を配ってみてください。思いがけない場所で、あなたの町の山の神さまに出会えるかもしれません。

参拝の基本マナーと心構え

神社に慣れていないと、作法が分からなくて少し緊張しますよね。

でも、大丈夫。一番大切なのは「敬意と感謝の気持ち」です。これだけ覚えておけば、細かい作法は後からついてきます。

【基本の参拝作法】

  1. 鳥居をくぐる前:軽く一礼。「お邪魔します」の気持ちで。
  2. 参道を進む:真ん中(正中)は神様の通り道。少し端を歩きましょう。
  3. 手水舎(てみずしゃ)で清める:①右手で柄杓を持ち左手を清める → ②左手に持ち替え右手を清める → ③再び右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ → ④最後に柄杓を立てて柄を洗い、元の場所に戻します。
  4. 拝殿の前で:お賽銭をそっと入れ、鈴を鳴らし「二礼二拍手一礼」で拝礼します。

そして、山の神さまに会いに行くときは、もう一つだけ心構えを。

「自然にお邪魔させてもらう」という気持ちを大切にしましょう。

山の空気を吸い、木々のささやきに耳を澄ませ、そこにいる神様と自然そのものに感謝する。それこそが、最高の参拝です。

神社参拝の作法とマナーの詳細は
⬇️ ⬇️ ⬇️
初心者でも安心!神社参拝の基本マナーと作法を完全ガイド

【東北】太平山三吉神社(秋田)

秋田市にそびえる霊峰・太平山。

その山岳信仰と、「力の神」「勝利の神」として知られる 三吉みよし 信仰が融合したのが太平山三吉神社です。

秋田では「さんきちさん」の愛称で親しまれ、特に勝負事や事業繁栄にご利益があるとして、多くの信仰を集めています。

麓の里宮だけでなく、山頂には奥宮があり、今も多くの登山者が参拝に訪れます。

厳しい自然の中に身を置きながら、勝利成功を祈願する。そんな力強く、ダイナミックな山の神信仰を体感できるスポットです。

太平山三吉神社

【山陰】佐比賣山神社(島根)

神話の国・出雲の地に、ひっそりとたたずむ古社が 佐比賣山神社さひめやまじんじゃ です。

この神社は、国立公園にも指定されている 三瓶山さんべさん の古い名前を今に伝えています。

なんと、その歴史は平安時代の書物『出雲国風土記』にまでさかのぼり、壮大な「国引き神話」の舞台としても知られています。

神話の時代から人々が仰ぎ見てきた、神聖な山の麓で古代の息吹を感じる・・・。歴史ロマンあふれる山の神さまに会いたいなら、ぜひ訪れたい場所です。

佐比賣山神社

【東海】名張の山の神碑(三重)

特定の大きな神社ではなく、「山の神さまを探す」という探訪そのものを楽しめるのが、三重県名張市です。

この地域では、なんと85ヶ所以上もの場所で山の神さまが祀られ、140基を超える石碑が確認されています。

暮らしの道端に、当たり前のように存在する「山神」の文字。

かつてこの地で、いかに山の神さまが人々の生活に溶け込んでいたかを物語っています。

中には「鍵引き神事」という豊作を祈るユニークなお祭りも残っています。

地図を片手に、自分だけの山の神さまを見つける宝探しのような旅に出かけてみませんか?

名張の山の神信仰について

おわりに:身近な山の神さまを探す旅へ

夕暮れの祠
※画像はイメージです

ここまで、奥深く、そしてどこか人間味あふれる「山の神信仰」の世界を一緒に旅してきました。

全国に(登録されているだけで)1,500社以上も存在するという事実に驚き、嫉妬深い女神さまのキャラクターにクスッと笑い、厳しい自然と共に生きてきた人々の切実な祈りに、心を寄せたのではないでしょうか。

山の神信仰を知ることは、単に神社の知識が増えるということだけではありません。

それは、私たちが普段何気なく目にしている風景の解像度を上げ、その土地に刻まれた人々の営みや想いを感じ取るための、新しい視点を与えてくれる旅なのです。

自然とつながる参拝の心

山の神さまへの参拝は、私たちに「自然の一部として生かされている」という感覚を思い出させてくれます。

スーパーに行けば食べ物が手に入り、蛇口をひねれば水が出る。そんな便利な暮らしの中で、私たちはつい、その源がどこにあるのかを忘れがちです。

しかし、山の神さまが祀られた場所を訪れ、手を合わせる時、私たちは目の前の木々や土、流れる水が、かつて人々の命を支えてきた聖なる恵みであったことに気づかされます。

特別な願い事がなくても構いません。ただ「いつもありがとうございます」と心の中でつぶやいてみる。

それだけで、あなたの心と自然との間に、温かいつながりが生まれるはずです。

次の休日、会いに行こう

この記事で紹介した神社やスポットは、無数にある山の神さまへの入り口にすぎません。

あなたの家の近くにも、通勤・通学路の脇にも、まだ気づかれていない山の神さまが、静かにあなたを待っているかもしれません。

次の休日、少しだけ遠回りして、近所の裏山を散策してみませんか。

古い地図を広げて、「山神」という地名を探してみるのも面白いでしょう。

小さな祠や石碑を見つけたら、ぜひそっと手を合わせてみてください。

そこから、あなただけの「山の神さまを探す旅」が始まります。

その小さな発見が、きっとあなたの日常を少しだけ豊かに、そして面白くしてくれるはずです。

管理人の備忘録〜全国の山の神信仰

全国の山の神信仰のメモです。

栗東市上砥山地区の山の神行事(滋賀県栗東市)

  • 特徴:400年以上前から続く伝統的な山の神行事
  • 開催時期:旧暦正月1日から7日(現在は1月末~2月初旬)
  • 信仰の内容:地域の山論(山の境界争い)とも関連した独特の山の神信仰

兵庫県朝来郡生野町口銀谷の山神社

  • 祭神:金山毘古命
  • 特色:「鍵引き神事」という独特の行事が盛ん
  • 実施内容:1

山神社(宮城県遠田郡美里町)

  • 正式名称:小牛田山神社
  • 社格:旧郷社
  • 特徴:東北地方における山の神信仰の代表例

伊那市高遠町荒町の山の神講(長野県伊那市)

  • 祭神:大山祇命神
  • 特徴:農林業を司る神として地域で信仰され、毎年1月15日に神事を実施
  • 継承状況:現在も地域住民によって伝統が維持されている

敦賀市赤崎の山の神講(福井県敦賀市)

  • 特徴:地域の伝統行事として継承
  • 実施状況:現在も年末(12月20日頃)に実施されている

秋田県鹿角市三ツ矢沢地域中新田集落の山の神祭り

  • 背景:尾去沢鉱山との関わりが深い地域で、炭焼きなど山の仕事の安全と商売繁盛を祈願
  • 特徴:鉱山町との関係で発展した独特の山の神信仰

大垣市の山の講まつり(岐阜県大垣市)

  • 起源:江戸時代の山の境界紛争から隣村との境界に「山の神」を祭ったことが始まり
  • 現在:神のご加護を祈る信仰として継承

岩国市由宇町清水の山ノ神祭り(山口県岩国市)

  • 開催頻度:5年に一度
  • 祈願内容:無病息災、五穀豊穣
  • 特色:島田川の源流を挟んで向かい合う男神(樫の木)と女神(椿の木)を祀る独特の形態

これらの事例は、メジャーな霊山とは異なり、地域の人々の生活に密着した形で山の神信仰が継承されている貴重な例です。多くは農林業や鉱業など、山の恵みに依存する生業と深く結びついており、現代でも地域コミュニティによって大切に守られています。