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奈良の鹿はなぜ神様の使い?答えは春日大社に!初心者のための「春日信仰」入門

10月 11, 2025

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はじめに:奈良の鹿は、なぜ神様の使いなの?

古都・奈良といえば、大仏さまと、そして公園で自由に過ごす鹿たちを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

せんべいをねだったり、のんびり日向ぼっこをしたり・・・。人懐っこいその姿は、見ているだけで心が和みますよね。

でも、ふと思ったことはありませんか?

  • 「奈良公園には、なぜこんなにたくさんの鹿がいるんだろう?」
  • 「どうして、みんな鹿を大切にするんだろう?」

実は、彼らはただの動物ではありません。古くから「神様の使い= 神鹿しんろくとして、人々から篤く敬われてきた特別な存在なのです。

この記事では、その壮大で心温まる物語の謎を解き明かしていきます。

鍵を握るのは、奈良が誇る世界遺産の神社。さあ、一緒にその扉を開けてみましょう!

答えはパワースポット「春日大社」にあり!

そう、その答えはすべて、朱塗りの社殿が美しい世界遺産春日大社かすがたいしゃにあります。

千年以上も昔から、この国の平和と人々の幸せを見守り続けてきた、日本を代表する神社のひとつです。

一歩足を踏み入れれば、清らかな空気に包まれ、ずらりと並んだ燈籠が作り出す幻想的な風景に、きっと誰もが心を奪われるはず。

この春日大社こそが、鹿たちが「神様の使い」と呼ばれる理由そのもの。そして、この記事でご紹介する「春日信仰」の中心地なのです。

春日さまと奈良の旅が100倍楽しくなる!

この記事を最後まで読めば、あなたの奈良の旅は、きっと今までとはまったく違うものになります。

  • 奈良公園で鹿を見る目がガラリと変わる!
  • 美しい社殿に隠された神様の物語が見えてくる!
  • どんなお願い事をするのにピッタリな場所なのかがわかる!

ただ「きれいな神社だったね」で終わらない、一歩も二歩も踏み込んだディープな奈良体験があなたを待っています。

これからご案内する「春日さま」の優しく、そしてちょっぴりユニークな世界を知れば、参拝がもっと楽しく、もっとありがたいものに感じられるはずです。

目次

「春日信仰」ってなに? 3分でわかる基本のキ

春日信仰かすがしんこう 」なんて聞くと、なんだかちょっと難しそうに感じますよね。でも、心配ご無用!

簡単にいうと、これは「春日大社に祀られている神様たち(=春日さま)と、人々との間に生まれた、長〜い絆の物語」のこと。

ここでは、その物語を理解するための3つのキーワードをご紹介します。これさえ押さえれば、あなたも今日から「春日さまツウ」です!

春日大社(イメージ)
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日本一の名門「藤原氏」のホームグラウンド

歴史の授業で「藤原道長」や「摂関政治」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

そう、平安時代にものすごい権力を持っていた、あの貴族「藤原氏」です。

春日大社は、この藤原一族が「私たち一族の守り神(氏神)です!」として、めちゃくちゃ大切にしてきた神社。

いわば、藤原氏にとっての聖地であり、心のホームグラウンドなんです。

奈良に都(平城京)ができたとき、「都と私たち一族を、どうかお守りください!」と、藤原氏が自分たちのルーツに繋がる、とびきりパワフルな神様たちをこの地にお迎えしたのが、春日大社の始まり。

だから、春日大社を訪れることは、日本史を動かした名門一族のパワーの源に触れることでもあるんですよ。

罪人さえも救う「慈悲の神様」

神様というと、悪いことをした人にはバチを当てるような、少し怖いイメージがありませんか?

でも、春日さまはちょっと違います。その最大の特徴は、「とにかく優しい」こと。

昔から、春日さまは「 慈悲万行菩薩じひまんぎょうぼさつ 」、つまり「ありとあらゆる慈悲の心で人々を救ってくれる存在」として信仰されてきました。

その優しさを伝える有名な物語があります。

ある罪人が地獄に落ちて苦しんでいると、春日さまが現れて、その罰を少しでも和らげてあげたのだとか。

罪を犯した人ですら見捨てないなんて、ものすごく懐が深いですよね。

誰の悩みも優しく受け止めてくれる。

そんな温かさが、春日さまが多くの人々から愛され続ける理由なのかもしれません。

神様と仏様がお隣に?興福寺との深い関係

春日大社のすぐ近くに、五重塔で有名な興福寺こうふくじという大きなお寺があるのをご存知ですか?

この神社とお寺、実はお隣さんというだけではなく、昔は一心同体の超仲良しコンビだったんです。

というのも、興福寺もまた、藤原氏が建てた一族にとって大切なお寺(氏寺)でした。

当時の人々は「神様も仏様も、人々を救うという点では同じ。姿が違うだけだ(神仏習合)」と考えていました。

そのため、藤原氏にとっては春日大社も興福寺もどちらも大切な祈りの場所。

ついには「春日社興福寺」とひとまとめに呼ばれるほど一体化し、大和国(今の奈良県)で絶大な影響力を持つ存在になったのです。

神社とお寺がタッグを組んでいたなんて、ユニークで面白いですよね。

春日大社を参拝するときは、ぜひお隣の興福寺にも足を運んで、その歴史の繋がりを感じてみてください。

主役は誰?「春日さま」と呼ばれる神様たち

さて、ここまで何度も出てきた「春日さま」という言葉。実はこれ、一人の神様を指す名前ではありません。

春日大社には、それぞれ異なる個性とパワーを持った、4柱の神様がいらっしゃいます。

この4柱の神様チームこそが、「春日さま」の正体なのです!

まるでスーパーヒーローチームのような、頼もしい神様たちを一人(一柱)ずつご紹介しましょう!(神さまは 一柱ひとはしら二柱ふたはしら ・・・と数えます)

春日大社本殿(イメージ)
春日大社本殿(※画像はイメージです)

白鹿に乗ったヒーロー!武の神「タケミカヅチ様」

まずご紹介するのは、チームのリーダー格!

茨城県にある鹿島神宮から、はるばる奈良へやってきた武の神様、タケミカヅチノミコト(武甕槌命)です。

日本神話では、国を平定するために大活躍した、まさにヒーローのような存在。その強さから、勝負事や武道にご利益があると言われています。

そして、このタケミカヅチ様こそが、奈良と鹿を結びつけた張本人!

伝説によると、奈良の 御蓋山みかさやま へ降り立つ際、なんと真っ白な美しい鹿の背中に乗ってやってきたのだとか。

そう、冒頭の謎の答えはこれです!

この伝説があったから、奈良の鹿は「タケミカヅチ様のお供をしてきた神聖な使い」として、大切にされるようになったんですね。

最強の相棒!剣の神「フツヌシ様」

タケミカヅチ様の隣には、いつもこの神様がいました。

千葉県の香取神宮からやってきた、最強のバディ! 剣の神様、フツヌシノミコト(経津主命)です。

フツヌシ様も、タケミカヅチ様と一緒に国を平定した武の神様。

その名前は、剣で物を「フツリ」と断ち切る様子から来ているとも言われ、災いや悪縁を断ち切るパワーを授けてくれるとされています。

この二柱の神様が揃っているなんて、まさに無敵の布陣。

強力な守護と、前に進む勇気が欲しい時は、ぜひこのお二柱にお願いしてみてください。

藤原氏の頼れるご先祖さま「アメノコヤネ様」と「ヒメガミ様」

残る二柱は、藤原氏にとって非常に重要な神様です。

アメノコヤネノミコト(天児屋根命)は、藤原氏の直接のご先祖さま

神話では、天照大御神が天岩戸に隠れてしまったとき、素晴らしい 祝詞のりと を奏上して、世界に光を取り戻すきっかけを作った知恵と交渉の神様です。

そして、そのお后様(奥様)がヒメガミ様(比売神)。この二柱が夫婦で祀られていることから、夫婦円満や縁結びのご利益でも知られています。

自分たちのルーツであるご先祖さまをお祀りすることで、藤原氏は一族の結束を固め、繁栄を願ったのですね。

神のメッセンジャー!アイドル「神鹿」

もう一度、鹿に注目しましょう!

タケミカヅチ様を乗せてきたという伝説から、春日大社の鹿は神鹿しんろくと呼ばれ、神様のメッセージを私たちに届けてくれる特別な存在とされています。

奈良公園で鹿に出会ったら、それはただの動物ではありません。

「もしかしたら、神様が何かを伝えようとしてくれているのかも?」

なんて考えると、なんだかワクワクしてきませんか?

奈良の旅のアイドルである彼らには、ぜひ敬意を払って優しく接してあげてくださいね。

4柱の神様専用!優美な建築「春日造」のヒミツ

春日大社を訪れたら、ぜひご本殿に注目してください。そこには、全く同じ形をした4つのお社が美しく並んでいます。

これが、4柱の神様それぞれのお部屋。この建築様式は「春日造(かすがづくり)」と呼ばれ、春日大社ならではの大きな特徴です。

小さな社殿の正面に屋根が伸びた優美な形で、朱塗りの柱と白壁のコントラストがとても鮮やか。この美しい社殿が4つ並ぶ姿は、まさに壮観です。

「あ、ここがタケミカヅチ様のお部屋で、こっちがアメノコヤネ様のお部屋なんだな」と思いながら参拝すると、神様たちをより身近に感じられますよ。

もう一柱の重要な神様!未来を拓く「春日若宮」

春日大社のご本殿にお祀りされている4柱の神様をご紹介しましたが、実はもう一柱、絶対に忘れてはならない重要な神様がいらっしゃいます。

それが摂社「若宮神社」にお祀りされている 春日若宮かすがわかみや さまです。

ご祭神は、藤原氏の祖先であるアメノコヤネ様とヒメガミ様の御子神にあたる 天押雲根命あめのおしくもねのみこと

この若宮神社は、現在では春日大社の「摂社」という位置づけですが、かつてはご本殿の4社に準ずる社として篤く信仰されていました。

五穀豊穣、健康長寿、学問芸能の神として今も多くの信仰を集めています。

若宮神社と言えば、毎年12月15〜18日に行われる「春日若宮おん祭」

若宮さまを里宮(お旅所)にお迎えする神事芸能は、国の重要無形民俗文化財に指定され、奈良を代表する伝統行事といわれます。

本社のお祭りよりも盛大に行われることからも、若宮神社の大切さ、重要さが伺えます。

春日大社参拝の際には、若宮神社での参拝もぜひおすすめしたいです。

どんなお願い事ができる?春日さまのご利益

神社を訪れるなら、やっぱり気になるのが「ご利益」ですよね。

個性豊かな4柱の神様が集まる春日大社は、まさに「ご利益のデパート」!

国家安泰という壮大なスケールのお願いから、私たちの日々の暮らしに寄り添うお願いまで、幅広くカバーしてくれます。

あなたの願い事にピッタリなパワーが、きっと見つかりますよ。

春日大社絵馬掛け(イメージ)
※画像はイメージです

藤原氏にあやかる「仕事運・出世運アップ」

春日大社が「藤原氏のホームグラウンド」だったことを思い出してください。

平安時代、政治の中心で日本を動かしていた藤原氏。彼らが一族の繁栄をかけて祈りを捧げた場所、それが春日大社です。

その歴史にあやかって、春日さまは「仕事運」「出世運」アップに絶大なパワーを発揮すると言われています。

  • 「新しいプロジェクトを成功させたい!」
  • 「試験に合格して、キャリアアップしたい!」
  • 「自分の会社を大きくしたい!」

など、目標に向かって前進したい時、藤原氏が頼った神様たちが力強い後押しをしてくれるはず。

大事な局面を迎えている方は、ぜひ春日さまに力をもらいに行きましょう。

「慈悲の神様」にお願い!厄除け・災難除け

春日さまは、罪人すら救うほどの「慈悲の神様」。

その深い優しさは、私たちの日常に降りかかる様々な厄災から守ってくれる「厄除け・災難除け」の力にも繋がっています。

でも、春日さまはただ優しいだけではありません。

チームには、国を平定した武の神「タケミカヅチ様」と剣の神「フツヌシ様」という、最強の守護神がいるのを忘れてはいけません。

その優しさで私たちを包み込み、その強さで災いを断ち切る。

この「優しさ」と「強さ」の二刀流こそ、春日さまの厄除けパワーの源なのです。

「最近ちょっとツイてないな…」と感じる時や、厄年のお祓いにも、これ以上ないほど心強い味方となってくれます。

縁結びは「夫婦大國社」、金運は「金龍神社」へ

春日大社の境内はとっても広く、実はメインの4柱の神様以外にも、様々な専門分野を持つ神様をお祀りした小さな神社(摂社・末社)がたくさんあります。

お願い事に合わせた「専門家」を訪ねてみるのもおすすめです!

特に人気なのが次の二社。

【縁結び】夫婦大國社(めおとだいこくしゃ)

日本で唯一、ご夫婦の姿をした大國様をお祀りする神社。

素敵なご縁を結びたい方、夫婦円満を願う方にピッタリの、ハートフルなパワースポットです。

可愛らしいハート型の絵馬も大人気!

【金運】金龍神社(きんりゅうじんじゃ)

その名の通り、金運・財運アップにご利益があるとされる神社。

開運の神様として知られ、商売繁盛を願う多くの人々が訪れます。

後醍醐天皇も信仰したと伝わる、由緒ある場所です。


メインの社殿で全体的なご挨拶をした後に、特に叶えたいお願い事の「専門家」の元へ足を運んでみてください。

きっと、より強くあなたの願いを後押ししてくれますよ。

一口メモ

もし時間に余裕があるならば「若宮十五社めぐり」をおすすめします。
若宮十五社めぐり詳細はこちら

神様が仏様に変身?春日信仰のユニークな世界

さて、ここからは春日信仰の、ちょっぴりディープで、だからこそ面白い世界にご案内します。

先ほど、春日大社と興福寺が「超仲良しコンビ」だったとお話ししましたよね。

その関係の深さは、なんと「神様が仏様の姿に変身する」という、驚きの考え方を生み出したのです。

「え、どういうこと?」と思いますよね。そのユニークな世界観を覗いてみましょう。

春日鹿曼荼羅(イメージ)
春日鹿曼荼羅(※画像はイメージです)

神様のもう一つの顔「春日権現」とは?

昔の日本では、「日本の神様というのは、実は人々を救うためにやってきた仏様が、日本人に分かりやすいように『仮の姿』で現れたものである」という考え方(= 本地垂迹説ほんじすいじゃくせつ )が広まりました。

例えるなら、正体を隠して人々を助けるスーパーヒーローのようなもの。

「普段は普通の人間として暮らしているけど、その正体は宇宙から来たヒーローだ!」みたいなイメージです。

この考え方に基づき、春日大社の4柱の神様にも、それぞれ「正体」である仏様が当てはめられました。

  • タケミカヅチ様 → お釈迦様(釈迦如来)
  • フツヌシ様 → 薬師如来(薬師如来)
  • アメノコヤネ様 → お地蔵様(地蔵菩薩)
  • ヒメガミ様 → 十一面観音様(十一面観音)

このように、仏様が「仮の姿」で現れた神様のことを権現ごんげんと呼びます。

つまり、「春日さま」は神様としての顔だけでなく、「春日権現」という仏様としての顔も持っていた、ということ。

神様でもあり仏様でもある、まさにハイブリッドな存在だったのです。

信仰のアート「春日曼荼羅」を読み解く

「神様と仏様が一体」という考え方は、当時のアート作品にも大きな影響を与えました。

その代表格が春日曼荼羅かすがまんだらです。

曼荼羅とは、ざっくり言うと「信仰の世界観を、一枚の絵にギュッと凝縮したガイドマップ」のようなもの。

春日曼荼羅には、春日大社の美しい風景が描かれているのですが、よーく見ると、そこには驚きの光景が!

例えば「春日鹿曼荼羅」という作品。

神の使いである鹿が描かれ、その背中には榊(さかき)の枝が乗っています。そして、なんとその枝の先に、先ほどご紹介したお釈迦様やお地蔵様といった仏様たちの姿が、キラキラと輝きながら描かれているのです。

まさに、神様のいる聖地に、その「正体」である仏様が一緒に登場しているという、神仏習合の世界観を一枚で表現したアート!

もし博物館などで見かける機会があれば、ぜひ細部までじっくり見てみてください。

「昔の人は、こんな風に神様と仏様の世界を見ていたんだな」と、時を超えた人々の祈りの形に触れることができますよ。

奈良国立博物館ウェブページの『春日鹿曼荼羅』

春日大社でしたい4つの体験

春日さまの物語を知ると、実際にその場所を訪れてみたくなりますよね。

ここでは、春日大社を訪れたら絶対に外せない、とっておきの体験を4つご紹介します。

知識を持って体験すれば、感動は何倍にも膨らむはずです!

春日大社 回廊(イメージ)
回廊(※画像はイメージです)

① 幻想的な朱塗りの回廊と燈籠の道を歩く

春日大社のシンボルといえば、鮮やかな朱塗りの柱が美しい御本殿の回廊

そして、その回廊や参道にずらりと並んだ、無数の 燈籠とうろう です。

その数、なんと石燈籠が約2,000基、釣燈籠が約1,000基!

これはもちろん日本一の数で、一つひとつに人々の祈りや感謝の気持ちが込められています。

昼間は苔むした石燈籠が歴史の重みを感じさせ、夕暮れ時には回廊の釣燈籠が金色に輝き、息をのむほどの美しさ。

まるで時が止まったかのような、幻想的な空間をゆっくりと歩いてみてください。一歩進むごとに心が清められていくような、不思議な感覚に包まれるはずです。

年に2回(2月の節分と8月14・15日)行われる「 万燈籠まんとうろう 」では、これら全ての燈籠に火が灯され、境内は光の天の川のような絶景に変わります。

② 千年続く奇跡の祭り「春日若宮おん祭」に触れる

もしあなたが12月に奈良を訪れるなら、奇跡の瞬間に立ち会えるかもしれません。

それが、平安時代から一度も途切れることなく、880年以上も続いているという「春日若宮おん祭」です。

国の重要無形民俗文化財にも指定されているこのお祭りは、まさに「生きた歴史絵巻」。

平安時代から江戸時代までの様々な時代の衣装をまとった人々が街を練り歩く「お渡り式」は圧巻の一言。

神様の前では、神楽や舞楽、そして能楽のルーツである猿楽など、日本の古典芸能が次々と奉納されます。

大洪水を鎮めるために始まったとされる、人々の切実な祈りの結晶。その厳かで華やかな雰囲気を肌で感じれば、日本の伝統の奥深さにきっと心を打たれるでしょう。

③ 20年に一度の神様のリフレッシュ「式年造替」

春日大社には、伊勢神宮と並び、約20年に一度、社殿を建て替えたり修繕したりする式年造替しきねんぞうたいという大切な伝統があります。

これは単なるリフォームではありません。

社殿を常に若々しく清浄な状態に保つことで、神様のパワーもリフレッシュしていただく、という考え方なのです。

また、宮大工たちの伝統技術を次の世代へと受け継いでいく、という重要な役割も担っています。

もしあなたが訪れたタイミングが造替の後なら、ラッキー!

真新しい檜の香りが漂うピカピカの社殿で、リフレッシュされたばかりのパワフルな神様にご挨拶ができます。

その清々しい空気は、きっと忘れられない思い出になりますよ。

④ 神様が降り立った聖地「御蓋山」のパワーをいただく

春日大社のご本殿の背後に、こんもりと美しい形をした山があるのをご存知ですか?

それが、 御蓋山みかさやま です。

この山こそ、タケミカヅチ様が白鹿に乗って最初に降り立ったとされる、春日信仰の原点であり、パワーの源泉

山そのものがご神体(神体山)とされ、太古の昔から一切の狩猟や伐採が禁じられてきました。

そのため、今も手つかずの原始林が広がり、一般の人は足を踏み入れることができません。

でも、ご安心を。山には登れなくても、その麓から山を見上げ、深呼吸するだけで大丈夫。

「ああ、あの山に神様がいらっしゃるんだな」

そう思いながら静かに手を合わせれば、都会の喧騒で疲れた心と体に、山の神聖なエネルギーがすーっと流れ込んでくるのを感じられるはずです。

社殿の参拝だけでなく、ぜひその背後にある大いなる自然のパワーも感じ取ってみてください。

まとめ:春日さまに会いに、古都・奈良へ行こう

参道と鳥居(イメージ)
参道と鳥居(※画像はイメージです)

ここまで、春日信仰の奥深く、そして心温まる世界を一緒に旅してきました。いかがでしたか?

奈良の鹿がただの可愛い動物ではなく、神様の使いである理由。

朱塗りの美しい社殿に、日本の歴史を動かした一族の祈りが込められていること。そして、訪れる人々を優しく包み込んでくれる、春日さまの慈悲の心。

もう、あなたにとって春日大社は、ただの「有名な観光地」ではないはずです。

物語を知った今、その鳥居をくぐれば、千年以上続く人々の祈りの息吹と、神様たちの優しい眼差しを、きっと感じられることでしょう。

次の休日は、この物語の主人公である春日さまに会いに、古都・奈良へ出かけてみませんか?

春日信仰の魅力をおさらい

最後に、春日信仰と春日大社の魅力をもう一度振り返ってみましょう!

  • 神様の使い「神鹿」との出会い:奈良の鹿を見る目が変わり、旅がもっと楽しくなる!
  • 日本一の名門・藤原氏のパワー:仕事や勝負事にご利益絶大のパワースポット。
  • 誰をも包み込む、慈悲深い神様:どんな悩みも優しく受け止めてくれる安心感。
  • 神と仏が融合したユニークな世界:お隣の興福寺と一緒に訪れると面白さ倍増!
  • 朱と緑が織りなす、幻想的な燈籠の道:どこを切り取っても絵になる、唯一無二の絶景。
  • 千年続く伝統と祈り:お祭りや式年造替に込められた、時を超える人々の想い。

参拝の基本情報(アクセス・時間など)

さあ、準備はできましたか? 実際に訪れる際に役立つ基本情報です。

  • 【名称】
    春日大社(かすがたいしゃ)
  • 【住所】
    〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160
  • 【アクセス】
    • 電車・バス:JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から奈良交通バス(春日大社本殿行)で約10分、「春日大社本殿」下車すぐ。
    • 徒歩:近鉄奈良駅から徒歩約25分。奈良公園の鹿と触れ合いながら、のんびり歩くのもおすすめです。
  • 【参拝時間】
    • 本殿前特別参拝:9:00~16:00
    • 開門時間:夏期(3月~10月)6:30~17:30 / 冬期(11月~2月)7:00~17:00
      ※季節や祭典により変動することがあります。
  • 【拝観料】
    • 本殿前特別参拝:500円
      ※境内への入場は無料です。

より詳しい情報や最新の祭典スケジュールは、公式サイトをご確認ください。

春日大社 公式サイト

あなたの奈良の旅が、春日さまの優しい光に照らされた、素晴らしいものになりますように。